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Chinto物語 その28 [Chinto物語]

■ヒヤチント物語 (NO.28)
海外勤務から帰国して、当時、一番困ったことが,子供の学校のことでした。所謂、帰国子女教育の問題でした、日本人学校に通っていた子供は、帰国して日本の学校に入っても、まだ、それほど問題は無いにしても、長く現地校に在学していた子供の日本での受け入れは何の対策もなく、日本の学校に適応できず、子供本人は本当に悩んだと思います。
トヨタ自動車には海外に派遣されていた社員も多く、帰国して、子供の学校のことで困り抜き社長自ら南山に来られ「帰国した子供の受け入れについて、何とか南山で考えて欲しい。」と要望があり、それまでも南山では男子部、女子部とも受け入れてはいたのですが、特別な組織はありませんでした。その頃、私は学園の理事だったので、理事会で帰国子女受け入れが討論され、その係りに私が任命されたのです。私も元帰国子女でしたが、上海の日本人学校の出身でしたから現地校の経験はないのです。最初に始めたのは、籍は始めから男子部,女子部に置き、特別学級という組を作って適応できるまでそこで面倒をみて、適応が出来た生徒から男子部、女子部に戻すという方法でした。全国的に帰国子女教育研究会を南山で開催したりもしました。現実には、帰国子女が増え、特別学級では間に合わなくなり、国際部として独立するしかないと言う結論を得ました。男子部、女子部の先生方には、随分、抵抗がありましたが、職員会議でよくよく説明をし、了解を得て、学園理事会にも承認され、国際部誕生となりました。
私の一番の主旨は、入試はやるが、全員合格で受け入れると言う事でした。
苦労しましたが、遣り甲斐のある大仕事でした。昭和61年に、中日新聞社から帰国子女の適応教育に対して「中日教育賞}をいただきました。賞金30万円もいただきましたが全額、南山に寄付いたしました。教師として当たり前の事をしたに過ぎませんが、それが評価されるとやはり嬉しいものですねえ。長い教員生活の中で最も印象に残ったことでした。
昭和61年と言えば、60歳になる年ですから、そろそろ停年間際ですね。次回は?


■★まっと★のコメント
★まっと★はもうそのころには南山を卒業し、自分は大学、そして留学中だったので、実際に父・徹がどのような仕事に没頭していたのかはあまりよく知らないのです。しかしながら、父がなにかしら大仕事を手がけていることだけは把握していました。南山の発展のためによく精神と肉体をささげたものだといまだに感心しています。でも、それが父・徹にとっては最大の当時の生きがいだったのでしょうね。しかも、その多忙の中でも授業は受け持っていたし、すばらしい功績だと思います。
本当に長い教員生活でしたが、ちゃんと納得の行く仕事をひとつずつ消化してきたのですね。すばらしい人生ではないですか。今は第二の人生を充実したかたちですごすことができているのも、当時の一生懸命の裏返しなんでしょうね。そして、第二の人生も一生懸命生きている父や母を本当に誇りに思っています。
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ちゃーちゃん

お父様のご活躍ぶり・・苦労もあったと思いますが
やりがいがあった・・・と言っていらっしゃるのが
何よりですネ。
素晴らしいお父様ですネ。
by ちゃーちゃん (2009-04-20 08:31) 

★まっと★

ちゃーちゃん(●⌒∇⌒●)
そうですね。父のお仕事の中ではかなり大掛かりなプロジェクトもありましたから、その中で、自分でやりがいがあったって思えることって本当に素晴らしいと思います。
by ★まっと★ (2009-04-20 14:58) 

KOZOU

こうして自分の仕事を誇りを持って振り返られる、すばらしいことですね。
そして書かれていますように第一の人生の充実があったから第二の人生も充実されているのでしょうね。
by KOZOU (2009-04-21 18:48) 

★まっと★

KOZOUさん(●⌒∇⌒●)
そうなのかもしれませんね。
充実した人生を日々歩みたいものですよね。
by ★まっと★ (2009-04-21 21:32) 

gyaro

全額寄付。。。
なかなか出来ないことだと思います。
すばらしいと思いました!
by gyaro (2009-06-03 13:05) 

★まっと★

gyaroさん(●⌒∇⌒●)
まぁ、父らしいといえば父らしいのですが・・・
何か記念になるもの・・とも思ったんですけどね・・・
まぁ、父が受賞したものですから、家族は黙っていました。
by ★まっと★ (2009-06-03 18:44) 

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