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エッセイ『英国での生活スタート』(青年期) [『ぶん★文★ぶん』]

★まっと★はポーランド留学から帰国し、名古屋音楽大学をどうにか卒業。名古屋・中電ホールにてデビューリサイタルを開催し、その後、英国に旅立ちました。英国の音楽事情も何も知らずまま、とりあえず英国に向かったわけです。
英語は中学、高等学校、大学と本当に長々と勉強しましたが、全く話せるにはいたらず、まずは言語の習得と言うことで、英国ロンドンのテームズ川から南側20Kほどのところにある、アングロスクールという英語学校で英会話の勉強を始めました。最初はまじめに通っていました。早く英語が話せるようになりたかったし、実際に生活をしているとやはり言語の必要性を感じます。
そんなある日、英会話学校で気がついたことがあります。英会話学校と言うところは殆どの場合、レベルでクラス編成がされています。と言うことは、★まっと★の在籍するクラスは★まっと★と同レベル程度の会話力しか持たない人間の集まりなんですよね。そこで勉強はすれども、クラスメートもさほど話せるわけではなく、英国人が英会話学校に通うわけもないので、クラスの中は外国人だらけ。要するに、ここで勉強していても日本で勉強するのとなんら変わらないと判断しました。そこで、★まっと★はいろいろと考えたわけです。
まず、学校にその通う意味を見出せなくなって、学校には行かなくなりました。そして、英国人は散歩が大好きです。毎朝、早起きをして同じルートを同じ時刻に散歩し始めました。家を出て公園の周りをぐるりとまわり、次に公園の中へ。そして毎日同じルートを歩くのです。そうすると、やはり同じ時刻に同じコースをペットの犬と共に散歩する老夫婦、ジョギングを楽しむ若者。公園までの道のりではパン屋のお兄さんが店のシャッターを開けています。
この習慣を始めてから一週間もすると、犬を連れた老夫婦も"Good morning."と声をかけてくれるようになります。また、パン屋のお兄さんはニコッと笑ってくれます。ジョギングを楽しむ若者もすれ違いざまに微笑んでくれるようになります。
二週間目には老夫婦は立ち止まり"Where are you from?"と声をかけてくださるようになり、パン屋のお兄さんも"Nice Day"と言葉を交わすようになります。そして、ジョギングの若者は手を振ってくれるようになります。
三週間、一ヶ月、三ヶ月と続けているうちに、とうとう、その老夫婦のおうちにご招待され、夕食をご一緒するまでに親しくなりました。
そうです、結局、英国であろうが、米国であろうが、英語を母国語にする国々に留学していても英会話学校に英国人が通っているはずもないし、英国人の友達ができるはずがないのです。自分で何か、行動をし始めないと生きた英語に接するチャンスはどこにもないということです。
そして、出かけるときには腕時計をはずし、バス停で誰かに"What time is it?"とたずねてみるのです。うまくいくとバスを待っている間、会話の練習ができるかもしれないですよね。どう見ても西洋人ではない★まっと★に興味を持ってくだされば、暇つぶしにいろいろとバスが来るまで話してくれます。また、バスに乗っても目的地まで話し続けることも不可能ではありません。
夕刻17時くらいにパブが開店します。英国のパブは立ち飲みが殆どです。ローカルのパブに同じ時間に同じ場所に立ち、同じビールを毎日飲むんです。数日もするとバーマンとも友達になれますし、お客さんとも知り合いに慣れます。お酒が入ると会話も弾むし、ちょっとよってくると恥ずかしさが半減するのか素面のときよりも英語がスムーズに出てくるような気もします。
★まっと★はこうして英語力を身につけるように必死に努力しました。
★まっと★の名古屋の自宅のお隣に『鈴木小児科』と言う開業医の女医さんが住んでおられます。(今はもう引退されて病院は閉めておられますが・・)この鈴木先生から英国にわたってすぐのころでしょうか、お手紙をいただきました。お隣同士に住んでいても、あまりお話しする機会はなかったのですが、そのお手紙には本当に支えられました。
『一人での海外生活、さみしくはありあせんか?言葉も通じないところでの生活ですからね。しかし、一年もすれば挨拶ができるようになり、二年たてばお友達もでき、三年目にはきっと恋もできますよ。がんばってください。』このような内容のお手紙を書いてくださいました。本当に励まされました。そして、鈴木先生が仰ったように英国滞在3年目にカレンに出会い、結婚し、今の生活があるのです。
★まっと★も多くの皆さんに励まされながら自分なりに道を切り開くよう、必死になって英国での時間をすごしたことを思い出します。
感謝の気持ちをピアノの音色にこめながら・・・。
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pace

私もニュウ・ヨークに数年住んでおりましたが
そのどうしようもないような寂しさが
今の生活を支えているかもしれません

私の英語の先生はまずはテレビでしたね(笑)
by pace (2009-04-11 21:32) 

ちゃこちゃん

私も中学の頃少しイギリスにいたのですが、
子供だったせいもあるかもしれませんが
意外と気さくに道行く人が話しかけてきてくれました。
一人で買い物したりバスや地下鉄に乗ったり・・
楽しい思い出です♪
今、全然英語しゃべれませんけど^^;
by ちゃこちゃん (2009-04-11 22:01) 

ちゃーちゃん

こんばんは‼
ヤッパリ其の土地にとけ込まないと駄目なんですネ。
我家の孫達(3人)も英語習っていましたけど、結局
何にも分らないですよね(先生が国に帰ったので辞めてしまいました)
2年間の月謝が無駄でした(^^;
★まっと★さんの積極生が此の時身に付いたのですね。
by ちゃーちゃん (2009-04-11 22:12) 

junko

こんばんは~(^^)
ふむふむ・・・と、うなずきながら読みましたよ~。
私がイギリスで英語のお勉強していたときは・・・
テストのためにイタリア人の男の子と放課後残って勉強したのが、すっごく楽しかった(^^)
自分では絶対思いつかないようなアイデアを持ってて、いろいろプラスになったなぁ(^^)
バス待ち中の会話・・・私も楽しみましたよ。いっつも遅れてくるから、どれくらい待ってる?遅いね~。って。朝のバス停は、顔を会わせる人も一緒だし。
私はイギリス滞在中ラッキーだったなぁ・・・と思うのは、最初のホームステイ先のランドレディはイギリス人の女性で、すっごく話し好きだったのと、後半はイギリス人の友達のおうちでハウスシェアが出来たので、生きた英語が常に周りにあったんですよ(^^)
最近は書くばっかりで・・・書くのは進むけど、しゃべりがなかなか・・・口がスムーズに動きません。

by junko (2009-04-12 00:28) 

★まっと★

paceさん(●⌒∇⌒●)
アメリカでの生活は旅くらいしか経験がございませんが、
全ての経験はやはり今の人生の糧になっていますよね。
自分が英国に住んでいた頃は・・・テレビは高価なものでした。日本に帰る一年前に始めて白黒テレビを購入。1980年代の話ですが・・日本ではもう白黒テレビは販売していなかったです。。。びっくりしましたよ。。
カルチャーショックでしたね。

ちゃこちゃん(●⌒∇⌒●)
おう~~英国にいらっしゃいましたかぁ。
そうですね。自分が英語を学ぶのにはいろいろなことを考えましたよ。でも、今はその一つずつが生活の糧になり、やはり助けられている部分が多いです。
嬰億・・やはり自分の第二の故郷ですね。

ちゃーちゃん(●⌒∇⌒●)
もともと引っ込み思案なじぶんでしたが、生活するためには人間なんでもしなくちゃいけないのだということを学びましたね。でも、それぞれの自分の行動を振り返ると・・そのユウイはどこから沸いてきたんだろう・・って自分ながら感心してしまう部分もあります。
若さでしょうか。それでも、今の生活に全てが関連しているのも不思議な話です。

junkoちゃん(●⌒∇⌒●)
そうだねぇ。毎朝同じ人にバス停であうものね。それが自分の場合、散歩であったりパブであったり・・早く語学を習得した買った・・これは本音の部分ですが、それがよかったです。いろいろな友達が出来ましたし。
お仕事だと、書くことも多いのでしょう・・自分アh話すばっかりで、、、スペリングに超劣等感であります。
(ヘ;_ _)ヘ 爆 (ヘ;_ _)ヘ

by ★まっと★ (2009-04-12 07:09) 

KOZOU

ほんとにそうですね。
永い間学校で学んだけれど、特に話すことは日本人、不得意ですよね。
★まっと★さんの方法、さすがと思いました。
勇気をもって飛び込んでいくことですね(*^_^*)
by KOZOU (2009-04-12 14:52) 

KOZOU

女医の先生、真に優しい人ですね。(*^_^*)
by KOZOU (2009-04-12 14:53) 

★まっと★

KOZOUさん(●⌒∇⌒●)
そうですねぇ・・・じぶんでもこのときにちょっと自分自身がいくつかのステップをあがることが出来たのでは・・と思います。
実際に現在英語でお仕事させていただいていますものね。

そうですねぇ、、、お隣の女医の先生。父と同い年なんです。今でも時々お見かけして挨拶するんですけどね。
o(*'▽'*)/☆゚'・:*☆
素晴らしい方です。
by ★まっと★ (2009-04-13 05:52) 

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