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31回目の結婚記念日 その4 [Diary]

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エッセイ『父にびっくり』(青年期)

英国での4年間の留学を経て、一人日本に帰国した自分、当然のことながら無職。
なんだか退屈で、時間を持て余す日々が続いていました。
帰国してリサイタルを開催し、若干のティーチングが唯一の収入源。
実家で両親とともに生活していたので、家賃も食費もかからず、
それなりに平和ではあったものの、
あんまり充実している毎日とはいえなかったようです。
そのころ・・・日本の経済はバブルの終わりがけ・・・・・
自分の母親がお友達とヨーロッパへ観光に出かけていたある日、
父のほうから話しかけてきました。
まず、そんなことも珍しかったんだけど、
父の話というのが、

父親:「英国に残してきた彼女は元気にしてるのか?」・・・・・・・

はぁ~~☆??・・・・
父からそんな話が持ち出されるとは思っていなかったので、とてもびっくりしてしまいました。

自分:「元気みたいだよ。」
父親:「お前、どうするんだ??このまま彼女をどうするんだ?」
自分:「だって、収入もないし、どうしようもないじゃん。」
父親:「俺だったら、すぐにでも迎えにいくなぁ。」
自分:「はぁ~~~??」
父親:「いつまでって、期限もなく彼女を待たせるわけにはいかんだろ?」
自分:「そりゃ、そうだけど・・・」
自分:「手ぶらじゃいけないジャン。」
父親:「指輪もっていきゃいいだろ!」
自分:「はぁ~~??」

父の一言一言があまりにもそれまでの父とはミスマッチで、
実際に父がこんなことを言っているのかって、
自分の耳を疑いたくなるほど、不自然だったことを思い出します。
まず、母が居なかったこと(ヨーロッパ旅行中)って言うのは、
父にとってとても好都合だったのでしょう。
そうなると話は早いんですね。
母が帰国する前に、英国へのエアーチケットを購入して、
カレンの誕生石アメジストで指輪をオーダー。
母が帰国するのと入れ替わりに、自分は英国へ飛びました。
母と顔をあわす時間が長かったら、母の意見をいっぱい聞かなくてはならないし、
そうなると、ことがスムースに運ばないという父の配慮・・??があったように思います。
母は何も知らずに帰国し、
帰国したら息子は英国に婚約のために旅立っていったわけですから、
母としてはあんまり面白くないお話でしょう。
父は自分が英国に出かけている間に母を説得する自信があったのかどうかは定かではありませんが、
帰国したときに、ちょっとだけ憮然とした母の表情から察すると、父は何も多くを語らなかったのだと思います。
でも、父の一言がなかったら、結婚できていなかったかも・・・

感謝してますよ。・・・父さん
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